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VPNとクラウド・専用線はどう異なる?

社内のデータ管理を円滑化するという観点から、近年VPNの導入を検討する企業が増えてきています。一方で、クラウドのオンラインストレージサービスを活用している企業も少なくありません。では、VPNとクラウドの間にはどのような違いがあるのでしょうか。

クラウドのオンラインストレージサービスは「データをインターネット上の仮想サーバに保存する」という特徴があります。会社内のPCはすべてこのサーバと接続されており、他のユーザーとデータを共有するためには、サーバへ該当するデータをアップロードする必要があるのです。サーバの管理はすべてクラウドサービスを提供する管理会社が行っているので、各企業としては自前の大規模サーバを抱える必要がなく、コストの大幅な削減が可能となります。

一方、VPNは「企業内に点在しているLAN同士をトンネリングでつなぐ」という特徴があります。つまり、データそのものは仮想サーバではなく、LANの中に保存されているわけです。VPNのアクセス権限が付与されているPCであれば、共有フォルダなどを介して直接データのやり取りが可能であり、わざわざサーバにアップロードするという手間がありません。VPNの構築に関しては、自社で行っている企業もあれば、ocnやNTTなどのプロバイダサービスを提供している会社へ委託する企業もあります。ocnにはip8といった法人向けのプランもあります。

VPNと似たシステムとして「専用線」があります。これは企業内に独自の通信回線を敷設することで、外部からの不正アクセスを防ぐという通信スタイルです。これはセキュリティーの堅牢性が確保できる一方で、通信線の敷設に多大のコストがかかります。一方、VPNはNTTなどが提供する通常のインターネット回線を使っているので、専用回線の敷設などに伴う初期コストが不要です。もちろん、通信データは暗号化技術などによって保護されているので、「一般回線を利用しているということはセキュリティーが脆弱なのでは」と心配する必要はほぼありません。